■車種:トヨタ プリウス
■施工:三次元計測作業■費用:¥15000-
まだ広く認識されていない設備、技術なのでお客様や保険会社様等にも説明をする機会が多々あります。
なので一度詳しく説明できればと思い、不器用ながら現場で実際に使用している作業員である自分本人がまとめてみました!
「鈑金作業担当してます宮下です、よろしくお願いします!」
自己紹介はこんな程度にしておいて…
↑ 50系プリウス アンダーボディの計測(黄色のパソコンが繋がっている機材です)
当社が使用している機材はイタリア製のSPANESIという会社のTOUCHという製品です。
自動車産業にいたってはヨーロッパのほうが先進しており、自動車修理に関しての基準はヨーロッパはかなり厳しいらしく、
そういったものクリアできているともいえる物ともいえると思います。(日本の基準はかなり緩いです…)
実際海外自動車メーカーでは修理機材を指定することもあるそうです。
では実際の作業手順で説明させていただきます!
↑ リフトアップします
↑ アンダーカバーなど計測の際に外さなければいけない部品を取り外します(サポートフレーム、足回りの部品も一部外さないといけない車種もあります)
↑ プリウスの場合ですとこれだけ外しました!
外車やハイブリッド車などはアンバーカバーが広範囲に装着されていることが多いです。
※部品点数が多いものなどは別途脱着料金が掛かることがあります。
↑ 車両データを入力し、車種ごとにあるメーカー寸法図を元に計測します!写真はプリウス50系専用のものです。
ちなみにデータの更新は半年ごとにやっていて(ライセンスの更新も兼ねて)
よほどの発売されたばかりの最新車、
それも新しいプラットフォーム(車の土台となる骨格部分など)に
なったばかりのもの以外はデータがございます!
もちろんイタリア製ですので、外車のデータもそろっていますし、
データがない車(トラック、かなり年式の古い車、一部商用車バン等)も
オリジナルでデータを作りながら計測も可能です。
↑ データを元に計測していきます 今回はフロント事故車なので損傷のないところで基準を取り、フロント回りを重点的に測ります!
↑ 計測ポイントは車種により様々ですが、基本的には写真のようなホールゲージや足回りの取付ボルトなどです。
(よく入庫するような車種は当社オリジナルの計測ポイントを作っていることもあります)
…といった作業の流れになるのですが、なぜこのような手間のかかる作業をするのかといいますと、
修理車両を事前に計測を行うことで、損傷がどこまであるのか数字で確認することができるので正確で確実な修理ができるのです!!
どんなに作業歴の長い熟練の職人でも、どこまで損傷の波及があるかはわからないのです。
さらに現在作られている車のボディー構造は衝撃を骨格全体に逃がすようにできていて(搭乗者を保護するため)、キャビンと隣接する部分などはとても硬くできています。
ぶつかり方によっては意外なところまで波及している…なんてこともあります!
「たぶん大丈夫じゃない?」
「修理終わったけど、たぶん直っているだろう…」
「見た目がよくなっていれば修理完了…」
自分の愛車がそんなの作業をされていたら嫌ですよね!?
というかそんな作業では通用しなくなったというのが本当のところかもしれません。
カメラ、レーダー、センサー等、ボディ自体に精度が求められている時代、
修理する側もそれに対応するように修理を行っているのです。
↑ ちなみにボディーアンダー計測後にアッパー計測や…
↑ 足回りの計測!なんてこともできます!
すこし長くなってしまいましたが、自動車修理において三次元計測の重要性がすこしでも伝われば幸いです(#^^#)